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ヒカリ届けます!遥かカナタまで【認定NPO法人ヒカリカナタ基金】

[2025年3月24日]

ID:70092

のっぷ

のっぷ:カンボジアやネパールなど、途上国にはわずかな手術費用を用意できずに、見えない目のまま暮らしている子どもたちがたくさんいます。

そんな子どもたちが1人でも多く手術を受け、目が見えるようになってほしいと治療費を送る活動をしているのが、認定NPO法人ヒカリカナタ基金です。岡山県立岡山盲学校の元教頭で、在職中から各地で「いじめ」や「命の大切さ」をテーマに講演活動をしている竹内昌彦理事長と、谷口真吾副理事長にお話を伺いました。

(左)竹内昌彦理事長、(右)谷口真吾副理事長の写真

(左)竹内昌彦理事長、(右)谷口真吾副理事長

認定NPO法人 ヒカリカナタ基金とは?

活動のきっかけ

のっぷ:はじめまして。つながる協働ひろばののっぷです!
ヒカリカナタ基金は2016年に任意団体として発足し、2017年にNPO法人化、そして2020年には岡山でも数少ない認定NPO法人になりました。活動のきっかけは、どんなことだったんですか?

竹内理事長:「私は県立盲学校で教壇に立ち、あん摩や鍼、灸を教えてきました。日本ではこういった技術を身につければ、視覚障害があっても自立して生きていくことができます。ですから、途上国に職業訓練ができる盲学校を建てたいというのが私の長年の夢でした。講演活動や自伝本で得たお金で2011年にモンゴル、2015年にキルギスにそれぞれ盲学校を設立することができました。
特にモンゴルでは卒業生によるマッサージが評判で、マッサージのチェーン店ができたり、現地の公務員より高い収入を得ることができるようになりました。嬉しい限りです。
しかし、盲学校にやってくる子どもたちのなかには、白内障や斜視など、治療すれば目が見えるようになる子もいるということが分かったのです。手術をすれば治るのに、日本円で3万円ほどのお金が用意できないために、その子は一生目が見えないまま生きなければならない。
盲学校を建てるより、ひとりでも多くの子の目を見えるようにすることが先だと思ったのです。」

のっぷ:手術をすれば目が見えるようになるのに、費用がないために諦めなければならないなんて悲しいですね…。

竹内理事長:「途上国の首都には病院がありますが、農村など周辺地域にはないところがほとんどです。視力検査すらしたことがないという人も大勢います。日本のように健康保険制度もありません。私自身、子どもの頃に失明を経験しており、重度障害児の親になる経験もしました。
ですから、その子のつらい気持ちも、その子に寄り添う両親がどれほどつらいかも知っています。
生まれた環境や経済状況に関わらず、目が見えない子どもたちに光を届けたい。自分の目で世界を見させてあげたい。それが3万円でかなうのなら、やらない手はないと思いました。」

目の手術をする様子
目にガーゼを貼ってもらう少年
目の治療後の少年の写真

写真:ヒカリカナタ基金提供

谷口副理事長:「障害の程度にもよりますが、白内障の場合なら1回3万円ほどの手術で、翌日には包帯を外して目が見えるようになります。日本では考えられないことですが、現地の病院では手術室のなかで手術の様子を見せてくれたり、包帯をとる場面に立ち会わせてくれたりもしました。
本人がびっくりして喜んでくれるのはもちろんですが、それ以上に両親が手を合わせるようにして喜んでくれます。
小児がん治療などを支援する団体はありますが、目の治療に特化した団体はほかには無いと思います。少し不謹慎な言い方かもしれませんが、少額でも費用対効果は抜群なのです。3万円でひとりの人生を変えることができるのですから。
正直、治療を受ける前の本人や、その両親は心がすさんでいるような印象を受けます。しかし、1年後に再会すると見違えています。教室の後ろの席からでも黒板が見えるようになったとか、自転車に乗れるようになったとか、できるようになったことを教えてくれた子もいますし、見えるようになったこの目で、お医者さんになって多くの命を救いたいと夢を語ってくれた子もいます。
これまで、モンゴルやキルギス、ネパール、ミャンマー、カンボジア、ベトナムでの治療を支援してきました。竹内理事長が当初の目標としていた1,000人の子どもたちの目を治すこともできました。」

涙を流しながら喜ぶ女性

写真:ヒカリカナタ基金提供

眼鏡をかける幼児の写真

海外での活動を支えるのは?

のっぷ:1,000人以上にヒカリを届け、本人やそのご家族の人生を変えてこられたのですね!10年以上にわたり継続して活動され、頭が下がる思いです。
ところで、目の手術は現地で行っていると思いますが、どのようにして病院などと連携しているのですか?

谷口副理事長:「活動には、我々と現地の病院をつないでくれる中継団体が不可欠です。途上国を中心に医療ボランティアに取り組む認定NPO法人ジャパンハートや、ミャンマー医療のスキルアップをはかる活動をしている認定NPO法人日本・ミャンマー医療人育成支援協会(MJCP)などの協力で、現地で安心かつスムーズに活動に取り組めています。ことし4月には、初めての団体と契約をして、ネパールの子どもたちを支援に向かう予定です。」

眼鏡をかけた幼児を抱っこする竹内理事長

写真:ヒカリカナタ基金提供

日本での活動

のっぷ:途上国での活動がメインだと思いますが、日本国内での活動はありますか?

谷口副理事長:「3月18日の“点字ブロックの日”に合わせて、啓発活動やエスコートウォークといったイベントを開催しています。点字ブロックは三宅精一さんという方が考案され、1967年3月18日に岡山市中区原尾島の交差点に初めて敷設されました。今でこそ知名度が上がってきましたが、かつてこのことを知る人は岡山ですら少なかったように思います。
ヒカリカナタ基金ができる以前ですが、竹内先生(理事長)の講演を聞いてファンになっていた私は、先生が“点字ブロック発祥の地”に石碑の建立を考えられていることを知り、岡山県視覚障害者協会や盲学校、地域の人たちでつくる実行委員会に加わりました。資金集めなどで協力し、2010年3月18日に石碑の完成除幕式を迎えました。以後、毎年点字ブロックの日に合わせて点字ブロックのうえにものを置かないように啓発活動を行ったり、視覚障害者と参加者が一緒に歩くエスコートウォークなどを開催しています。岡山から始まったこの活動は全国に広がり、3月18日に合わせて各地で開催されています。」

イベントの様子

竹内理事長:「点字ブロックの碑ができたことは大きかったですね。全国に啓発の輪が広がったし、点字ブロックの歌ができたり、ラジオ番組が生まれたりもしたんです。そして、テレビや新聞に取り上げられるようになったこともありがたかった。視覚障害者への理解が広まってきたこともそうですし、報道をきっかけにヒカリカナタ基金の活動を知って、寄附金を寄せてくれる人が増えてきたのです。ひとりでも多くの目を治してあげられることに繋がりますから、こうした協力は本当にありがたいことです。」

広がる支援の輪

のっぷ:中高生が、点字ブロックの石碑を清掃しているのを見たことがあります。皆さんの始めた活動が、大きな輪になって広がっているんですね。

谷口副理事長:「最近、目が治った子どもたちに、クレヨンと画用紙をプレゼントして、絵を描いてもらうという取り組みを始めました。きっかけは、目が治った直後のある男の子が描いた絵を我々にプレゼントしてくれたことです。この絵をもっと多くの人に見てもらいたいと考えていたところ、眼科医院と企業がそれぞれ1枚ずつレンタルしてくださり、目立つ場所に飾ってくださるというのです。それだけではなく、絵のレンタル料金として活動資金までくださって。見えるようになった子が描いた絵が、次の誰かを助ける手術代になる。循環型の支援の始まりです。」

クレヨンで絵を描く子供

写真:ヒカリカナタ基金提供

子どもたちの書いた絵の前にいる眼科の先生

のっぷ:子どもたちは誰かに助けられ、誰かを助ける。レンタルアートを通して、そのどちらも経験していくんですね!最後に、メッセージをお願いします。

竹内理事長:「いまは多様性の時代といわれますね。個性を認め合う時代です。認め合うということは、自分にとって都合の悪いものでもほかの人に役立つものなら見守れる、自分の主張を飲み込めるということではないでしょうか。視覚障害者にとっては道しるべになる点字ブロックも、車いすユーザーにとってはでこぼこして、ないほうがいいなと感じるかもしれません。あるいは家の近くに保育園や幼稚園があって、子どもの声がうるさいと感じるかもしれません。でも、それぞれの立場の人にとって必要なものなんだと理解して、見守ることができる世の中になればいいなと思います。また世界に目を向けると紛争が続いています。ミャンマーでの支援が、軍部によるクーデターで止まってしまったこともありました。平和な国でないと、障害者は本当に生きにくいのです。子どもたちのためにも、早く世界中の紛争が終息することを望んでいます。」

谷口副理事長:「皆さん方のあたたかいご支援が、遠い国で実を結び始めています。目が見えるようになった子どもたちは大きく羽ばたいて、たくましく育っていってくれることでしょう。世界の平和と子どもたちのために力を合わせて進んでいきたいと思いますので、これからもヒカリカナタ基金をよろしくお願いします!」

(左)竹内昌彦理事長、(右)谷口真吾副理事長の写真




日本では当たり前にできることが、世界だと当たり前にはできないことも多いのか…。
私たちの小さな善意が、誰かの大きなヒカリ(希望)につながっていくんだね!
善意の輪がもっと大きくなるといいな☆彡

関連リンク

認定NPO法人 ヒカリカナタ基金

住所:岡山市北区大元上町12-11

Email:npo@hikarikanata.com




ありがとうございました。
次はどちらの法人におじゃましようかなぁ。