令和6年度市民協働フォーラム「住民十色〜協働で彩る地域づくり~」を開催しました。
岡山市に住む外国人人口は年々増加しており、2023年には市民全体の2%以上を占めるようになっています。文化や習慣の違いを理解し、助け合って生活していくことは簡単ではありません。今年度は多文化共生を推進する取組を聞き、自身に何ができるかを考えました。
■日時:令和6年12月14日(土曜日)13時30分から16時20分
■場所:能楽堂ホールtenjin9(岡山市北区天神町)
プログラム | 登壇者など |
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講演「多様な文化の人々と協働するには」 | 片山浩子さん(学校法人アジアの風 岡山外語学院 理事長・岡山市協働推進委員) |
第9回「おかやま協働のまちづくり賞」 表彰式 | ※受賞団体は以下よりご確認ください。 |
大賞取組の発表 | 岡田 栞那さん(The World Kitchen実行委員会) |
ゲスト対談 | ゲスト:村雨辰剛さん(庭師・俳優) 聞き手:中村恵美さん(RSKパーソナリティ) |
トークセッション | 登壇者(五十音順) ・亀山ロアンさん(株式会社ネクサス) ・杉原大輔さん(学校法人みつ朝日学園朝日塾中等教育学校) ・広瀬海斗さん(The World Kitchen実行委員会) ゲスト:村雨辰剛さん(庭師・俳優) ファシリテーター:中村恵美さん(RSKパーソナリティ) |
当日の内容についてご紹介いたします。
岡山市協働推進委員であり、岡山外語学院理事長を務める片山浩子さんより「多様な文化の人々と協働するには」と題して、今後、さらに増加が予想される外国人との多文化共生について、日本人、外国人の立場からお話しいただきました。外国人は自身のアイデンティティは持ちつつ、日本語・日本文化を学び、社会参画をしながら支援される側から支援する側を目指すこと。日本人はコミュニケーションの際にやさしい日本語(はっきり・さいごまで・みじかく言う)を心がけ、多文化を学べる場をつくること。相互が思いやり、相手の国の文化を理解し尊重することで、より暮らしやすい地域になるのでは、と話されました。日々、外国人留学生と接している片山さんのお話は、参加者の皆さんにとって多文化共生促進のために何ができるかを考えるきっかけになったと思います。
大賞を受賞した「多文化交流フードイベント The World Kitchen〜多様性の輪を岡山に~」の取組は、岡山大学グローバルディスカバリープログラムの学生15名で実施されています。
地域の課題として、在留外国人の数が年々増加する中、地元住民と在留外国人の接点が少ないことから、日本人・外国人お互いに対する差別・偏見、岡山の住みやすさの低下、外国人を雇っている企業の生産性の低下などが挙げられます。そこで、The World Kitchen実行委員会では、誰もが好きな食を通して外国人と地域住民が接点を持ち、お互いを知るきっかけづくりを行い、また、まちに関わる企業やNPO団体が持つリソースや強みを提供し合い、その場限りではない、持続可能な多文化共生促進を図っています。
他の応募団体も、地域住民や未来の多文化共生の担い手となる若い世代を巻き込み、体験を通じた学習、学びの場の拡大により、多様性の架け橋となる取組でした。
庭師・俳優として活動中の村雨辰剛さんをゲストに、聞き手には、幼い頃から留学生との生活を経験し、大学では国際文化を学んだRSKパーソナリティの中村恵美さんをお迎えし、対談を行いました。
村雨さんは10代の頃から異文化に興味を持ち、16歳で初めて日本を訪れました。歴史と日本独自の伝統文化を大切にしている日本に住んでみたいと感じ、移住後、外国語教師を経てより深く日本の伝統文化に触れられる庭師となりました。
日本が好きだった村雨さんは移住するからには100パーセント日本に馴染みたいとの思いがあり、様々な勉強や積極的なコミュニケーションを取るなどご自身で工夫をされていましたが、日本語独特の言い回しや誉め言葉などは理解が難しかったそうです。
現在は庭師・俳優に加えて村雨さんの日々の暮らしをYouTubeにて発信しています。これは自分が情報を発信することで外国人に日本の魅力を伝え、また日本人にも自分たちが住む国の素晴らしさを再発見して欲しいとの思いからだったそうです。
日本と外国の橋渡しのような役割を担っている村雨さんのお話しから、改めて文化の違いを知ってそれを認め合うことの大切さと、「これぞ魅力」という日本・岡山の良さに気づく時間となりました。
トークセッションはゲストの村雨さんと進行役の中村さんに加え、岡山市内で活動する3名の方に登壇いただきました。
杉原さんが教員として勤務する学校では多くの留学生が、日本人学生と一緒に勉学に励んでいます。9年前の留学生と日本人学生の合同でのイベント開催をきっかけに、留学生と日本人学生が当たり前と考えていることは全く違うということを知り、疑問に思うことや理解ができないことには本音で討論を重ねることでお互いをリスペクトできるようになり、地域や外部の人ともつながっていく力を身につけることができると感じているそうです。
亀山さんは2016年にベトナムから来日し、岡山市東区にある縫製工場で働いています。職場ではベトナム国籍の技能実習生が多く在籍し、日本語が不慣れな実習生には病院の行き方や役所での手続き方法などの通訳的なサポートをしています。また公民館で開催される地域住民と外国人の交流会や日本語教室などに参加をすることで、お互いを理解し、いざという時に助けあう地域になりつつあることに嬉しさとやりがいを感じているそうです。
広瀬さんはThe World Kitchen実行委員会で渉外というイベント開催には欠かせない重要な役割を担っています。大学の勉強と実行委員会の業務の両立は大変だと思う時もあるけれど、フードイベントを通して岡山全体に多文化交流の輪を広げることを目標にしていると話してくださいました。
最後に村雨さんからは、杉原さんのように外国人と日本人が対話できる場づくり、亀山さんのような日本に不慣れな外国人のサポートをできる人材は多文化共生促進にはとても重要と話され、参加者の皆さんにはぜひ多文化交流のイベントに参加してもらい、恐れずにコミュニケーションをとってもらいたいとメッセージを送られました。
参加者アンケートよりフォーラムへの感想を一部、ご紹介いたします。
今後も様々なテーマでこれからの岡山のまちづくりについて皆さんと考える機会をつくっていけたらと思います。
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