岡山市賞田にある。旭川東側岸平野北端の山裾部に位置する。国指定遺跡である。
発掘調査の結果、金堂、塔、西門や回廊、背後の瓦窯などが検出され、塔や西門の基壇は、地方では稀な凝灰岩製壇上積であることがわかった。多数の瓦や三彩陶器などが出土している。また、瓦の出土から創建時期が飛鳥時代までさかのぼることも確認されている。同じ平野に位置する幡多廃寺や居都廃寺と、かなり密接な関係があることが瓦の分析から指摘されており、それらは吉備の有力豪族である上道氏の氏寺と考えられる。
最近、史跡整備に伴って発掘調査がおこなわれており、新たな知見が得られつつある。(→岡山市埋蔵文化財センター)
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宇野バス「脇田」下車、北へ徒歩1分。
付近には唐人塚古墳などの遺跡も数多くあり、天然記念物アユモドキの生息地にもなっている。
また、夏にはホタルも見ることができる。自然と文化財の宝庫といえる。 |
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出宮徳尚「賞田廃寺」『岡山県史』考古資料 1986年 |
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