[2026年3月10日]
ID:79902
「おかやまエネルギーの未来を考える会(以下、エネミラ)」は、気候変動を防止し、持続可能な脱炭素社会を創るために活動しているNPO法人です。
1997年に京都で第3回気候変動枠組条約締約国会議(COP3)が開かれた時、将来、「気候変動」の影響で地球規模の環境破壊が起こる可能性があることを知り、大きな衝撃を受けました。このままでは子どもたちの未来が危うい!絶望ではなく希望を残すために市民にできる活動に取り組もうと、2000年(平成12年)に主婦約10人が中心になってエネミラを立ち上げました。現在の会員数は約70名です。
気候変動は、特に人間の活動によって排出された二酸化炭素が大きく関わっていると言われています。私たちにできることは、化石燃料ではなく省エネと再生可能エネルギー(以下、再エネ)の利活用によって2050年までに脱炭素社会を築くことだと考えています。
そのため、設立して最初に取り組んだのが市民共同発電所づくりです。当時は太陽光発電がまだ珍しく、導入事例を作ることによって多くの人に再エネの重要性を知ってもらいたいと、公共施設の屋根をお借りして、資金はエネミラが寄付金や出資金、融資などで調達し太陽光発電所を設置することにしました。2002年から2017年度までに岡山市に9基、倉敷市と西粟倉村に1基ずつ、合計11基を設置しました。その後、法定耐用年数に達した2基は岡山市に無償譲渡し、現在9基を所有しています。
発電所の1号機設置以降は再エネの必要性を広く周知するために、自然エネルギー学校(年に5回の連続講座)を5年間、学校・公民館への出前授業・講座、環境イベントへの出展を随時行ってきました。
学校への出前授業については、2005年から「自然エネルギー体験キャラバン」と「エコライフチャレンジ」の2種類の学習プログラムを作っています。以降20年間、社会情勢の変化に合わせてアップデートを図りながら、どんなエネルギーの使い方が持続可能な未来に必要なのかをわかりやすく伝えようと工夫しながら実施しています。
2015年の「パリ協定」で、気候変動をくい止めるためには「産業革命前と比較して地球の平均気温上昇を1.5度以内に抑えること」が世界の約束となり、日本も2020年10 月に「2050年までに温室効果ガス実質ゼロ」を目指すことを宣言。行政も企業も脱炭素社会への転換をさらに目指す必要性に迫られています。
2020年の宣言以降、これまでの“コツコツとした省エネ”では「2050年脱炭素」達成は到底できないと言われるようになりました。建物も含めて二酸化炭素排出を減らす必要性を学び、エネミラでは地球環境基金の助成金を活用し初めての学校断熱改修ワークショップを倉敷市立柏島小学校で実施させていただきました。エネミラにとっては慣れないことで、倉敷市職員の方の多大なご協力を得て実施することができました。その後、県内で小・中・高校1校ずつ断熱改修ワークショップに携わってきました。
建物からの二酸化炭素排出は日本の排出量全体の3割になるそうです。断熱すると窓や壁、天井から熱が出入りするのを防ぐことができ、省エネになるだけでなく健康で快適に暮らせる等のメリットがあることから、日本の住宅全体で取組みが進んでほしいと思っています。
設立から25年が経過しましたが、気候変動は深刻化する一方です。2024年は地球の平均気温が1.55度上昇し過去最高となりました。異常気象等のリスクが一段と高まっており、ますますいのちに関わる熱波やゲリラ豪雨、干ばつ、農海産物・生態系への影響などが心配されています。
その危機感はあるけれど何をしていいのかと戸惑いの声をよく聞きます。暮らしを切り詰めるとか我慢するというマイナスのイメージを持たれているかもしれませんが、そうではなく、エネルギーを再エネに転換し、効率よく使うということで誰もが健康で快適な暮らし方に移行することができると考えています。
再エネに対しては、山を切り崩してのメガソーラーによる環境破壊などの悪い印象が根強かったり、古い情報のままを持たれていて批判の声を多く聞きます。私たちも地域に受け入れられない導入のやり方は賛成できません。
今、太陽光発電システムの価格はかなり安くなり、電力会社から買うより住宅に設置して自家消費する方が電力を安く使えるようになっています。PPAという初期費用なしでシステムを設置できる仕組みや、蓄電池の価格が下がっていることから、太陽光発電の電気を蓄電池にためて夜間も使うことも可能です。また、自宅に太陽光発電を設置できない場合は、電力会社から再エネで作った電力を購入することもできるようになっています。
さらに未利用地や農地をお持ちの方は、農作物を栽培しながら、その土地の上で太陽光発電を行うソーラーシェアリングも可能です。
エネミラは微力ながら自治体の脱炭素推進に向けた取り組みにも関っています。長年、自治体向けの再エネ導入推進研修会を企画運営したり、地球環境基金の助成事業で個別の基礎自治体の課題解決に向けて協力したりしています。
県や市町村は地球温暖化対策実行計画(区域施策編)を策定しています。計画は市民や事業者が行動変容していくために策定しているのに、市民には十分に伝わっていない状況があります。文言などが専門的で難しいことは否めませんが、少しでも情報共有できるよう市民向けの普及啓発も重要と考えています。
SDGsには17の目標がありますが、気候変動は「13気候変動に具体的な対策を」だけでなく多くの目標と関連しています。気候変動が深刻化すればSDGs全体の目標も達成できなくなってしまいます。自分事として、またこれからを生きる未来の人たちのために、今できることに取り組んでいきましょう。
所在地: 〒700-8544 岡山市北区大供一丁目1番1号 [所在地の地図]
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